寺田倉庫が経営する画材屋さんPIGMENT TOKYO ピグモン トーキョー。
東京の天王洲アイルにある私の好みのお店です。
壁面の顔料が圧巻です。この写真だけ撮って帰る方も多いそうです。
色の好きな人は一見の価値ありかもです。
洗練された店内で、日本の伝統画材をゆっくり見てお買い物することができます。
今回は、天然岩絵の具でカキツバタ(燕子花)を描くというワークショップに参加してきました。
こちらのワークショップは、手ぶらで行って体験でき、高品質な画材を使って作品を作ることができます。
今回は天然の岩絵の具(天然石を原料にした顔料で作ったもの)を使用して、カキツバタを描きました。
描いたと言っても、事前に下絵が書いてあるので自分で絵を描く必要はありません。


天然の顔料と、膠(にかわ)という天然の接着剤、お水で絵の具を練り上げていきます。
今回使用した天然岩絵の具は、尾形光琳の江戸時代やそれ以前にも使用されていたそうで、絵の具を通じて、昔の時代にタイムスリップすることができたのでした。
このワークショップは、日本の伝統製法を守る意味でも貴重だと思います。例えば、接着剤として使用する膠(にかわ)は、現在は天然のものを作っている会社はごくわずかだそうです。PIGMENTでは天然の膠をなんとか仕入れて、使い方を教えてくださっています。余談ですが、膠は動物のコラーゲンからできており、膠を作っている会社さんの売れ筋は、現在は化粧品向けのコラーゲンだそうです。おそらく、ビジネス的には膠はやめてしまってもいいものなのでしょうが、継続してくださっているのはありがたいことです。なお、膠はバイオリンの部品の接着にも使用するとのこと。
私はキラキラした顔料が大好きなのですが、今回は下地の黄色に少しキラキラが入っていました。
燕子花といえば、尾形光琳の燕子花図屏風が有名で、今回もその一部を模しています。
尾形光琳の屏風のベースは金箔ですが、今回は絵の具で表現しています。
琳派のたらし込みという技法を教えていただき、下地のキラキラが表に出るようにできました。キラキラ好きなので、たらし込み技法をたくさん活用しました。
わかりやすいところで言うと、真ん中の、濃い青の花弁の縦のラインにこの技法を使用しています。

下地を塗った絵の具を乾かす時間に座学で絵の具についてしっかり学びます。
この時間が1時間弱とやや長いので、それは覚悟する必要があります。 お子さんも参加されていましたが、ちょっと退屈している感じでした。内容は素晴らしいものですが、時間の長さから大人の私も少し眠気が。。。次の工程に移る前の乾燥の時間で仕方ないのですが。
ワークショップ参加者は店内の製品15%引きのチケットをいただけるので、お買い物を予定している方にも良い機会になると思います。私も狙っていた筆を購入しました。
毎年ゴールデンウィークの時期は、東京・表参道にある根津美術館では、尾形光琳の燕子花屏風の展示を行いつつ、庭園には燕子花が咲くという素敵なタイミングだそうです。遠い昔見にいったことがあるような気がしますが、来年訪れてみたいと思っています。(激混みでなければ。。。)
以下の記事でご紹介した画材屋さんの月光荘も魅力的ですし、こちらのPIGMENTにも豊富な顔料と日本の伝統画材が幅広く取り揃っており、楽しませていただくとともに、私の創作意欲を刺激してくれています。